※本記事はメディカルダイエットを推奨するものではありません。
メディカルダイエットとは
メディカルダイエットとは、「医学的根拠に基づき、内服薬や注射などを用いて痩せるダイエット法」です。
近年、SNSや広告を通して話題になっています。
メディカルダイエットを行う際は、専門のクリニックを受診したり、オンライン診療を利用したりして医師の管理のもと行うのが一般的です。
一方で、薬の個人輸入サイトを使い、自己責任で薬を取り寄せて行うケースもあります。
最大の特徴は、「薬を飲むだけ」「注射を打つだけ」で痩せられるという点です。
食事制限や運動などの生活改善をしなくても、薬の作用によって体重が落とせます。
今回の記事では、私自身が実際に体験した
- ジャディアンス(SGLT2阻害薬)
- リベルサス(GLP-1受容体作動薬)
の2種類について触れつつ、メディカルダイエットについて紹介します。
ジャディアンス(SGLT2阻害薬)について

ジャディアンスは2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病の治療に使われる薬です。
SGLT2を阻害することで腎臓の尿細管で糖が再吸収されるのを防ぎ、尿とともに糖を排出させる働きがあります。
1日あたり約200kcal、1か月で約6,000kcal程度の糖分を尿から排出できると言われています。
リベルサス(GLP-1受容体作動薬)について

リベルサスは2型糖尿病の治療に使われる薬です。
メカニズムはやや複雑ですが、主に以下の作用でダイエット効果を発揮します。
- 満腹中枢に作用して食欲を抑える。
- 胃の働きを遅らせて満腹感を長時間持続させる。
- 基礎代謝に間接的に良い影響を与える可能性がある。
リベルサスは服用方法が独特で、「空腹時に少量の水で内服し、内服後30分は飲食禁止」というルールがあります。
3mgから開始し、効果を見ながら7mg、14mgと段階的に増量していく場合もあります。
GLP-1受容体作動薬には注射薬(マンジャロ・オゼンピック・サクセンダなど)もあります。
容量や使用頻度、体重減少効果などそれぞれ違いはありますが、痩せるメカニズムとしては基本的にリベルサスと同じです。
メディカルダイエット体験記
私がメディカルダイエット(ジャディアンス・リベルサス)を実践したのは、2023年6月~8月頃です。
結果は以下の通りです。
68kg→63kg(約5kg減)

当時私は研修医で、ダイエットを始めたいとは思いつつ、多忙のため運動や食事制限をする余裕がありませんでした。
そんな時、ふとメディカルダイエットの広告を目にし、「薬だけで本当に痩せるのか?」という興味もあり、自分で実験するつもりで始めてみました。
- ジャディアンス:薬の個人輸入サイトで購入(※推奨しません)
- リベルサス:DMMオンラインクリニックで処方
ジャディアンスから1週間ほど早く内服開始しましたが、その後はリベルサスと併用して内服していました。
メディカルダイエット期間中は、運動や食事制限はしていません。
ジャディアンスの感想
飲み始めてすぐに、頻尿・多尿を自覚しました。
ジャディアンスは、尿の浸透圧が上がることで頻尿や多尿の副作用が起こりがちです。
ただ、頻尿とは言うものの、1日のトイレの回数が3〜4回増える程度だったのでそこまで気になりませんでした。
後述するリベルサスと比べると「思ったより何も起きないな」という印象で、快適に続けられました。
リベルサスの感想
リベルサスは副作用が結構きつかったです。
重篤な副作用(急性膵炎など)はありませんでしたが、服用初期に強い吐き気と倦怠感がありました。
「食欲がなくなる」というよりも、「強制的に胃もたれさせている」感じ。
胃がむかむかして、体もだるく、食事があまり口に入りませんでした。
ただ、1週間ほど続けると身体が慣れ、吐き気や倦怠感といった症状は落ち着きました。
3mgから開始し、最終的に7mgまで増量しましたが、増量した時にも同様の副作用が見られました(14mgまでは試していません)。
なぜやめてしまったのか
理由1:薬が高額なこと
美容目的のメディカルダイエットは自費診療なので薬代は全額自己負担となります。
- ジャディアンス:約4,000~5,000円/月
- リベルサス:約20,000円/月
私の場合、合計で毎月2,3万円ほどかかっていたので、コスト面で継続するのが負担となりました。
理由2:効果が薄れていった
ジャディアンスとリベルサスによるメディカルダイエットは2023年9月頃まで続けていました。

しかし、当時の記録を見ると、薬を内服しているのに、8月頃から体重がむしろ増加しています。
というのも、リベルサスを7mgに増量してしばらくすると、薬に慣れて食欲が戻ってきたため、以前と同じ量を食べていました。
また、ジャディアンスの作用で尿に糖が排出される分、空腹感が増す傾向があります。
そのため、食べる量がやや増えていたかもしれません。
結果的に「体重は変わらない(むしろ増える)のに高額な薬代だけかかる」状態となり、休薬をすることに。
すると案の定、一気にリバウンドしました。

メディカルダイエットには確かに劇的な効果がありましたが、その体重を維持できるよう生活習慣を改善しないと、結局意味がないと身に染みて分かりました。
まとめ
今回は、実体験をもとにメディカルダイエットについて解説しました。
薬の力だけで痩せることは、確かに魅力的です。
しかし、生活習慣が変わらなければ、結局体重は元に戻ってしまいます。
私自身、短期間で大きく減量したものの、結局リバウンドしました。
その経験から、メディカルダイエットは“きっかけ”にはなっても、“解決策”にはならないと感じています。
医師としての立場からメディカルダイエットを推奨いたしませんが、この記事が参考になる方がいれば幸いです。
今後もメディカルダイエットに関する記事を執筆していく予定なので、興味がある方はtwitterのフォローをお願いします。
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