糖質制限ダイエットとは
糖質制限ダイエットは「糖質(炭水化物)」の摂取量を減らすダイエット法です。
もともとは肥満や糖尿病の治療を目的とした食事療法でしたが、ライザップなどで一躍有名になりました。
特徴は、食事の“量”ではなく“内容”を制限するという点。
糖質を控える代わりに、タンパク質や脂質をしっかり摂ってOKという、ある意味“食べてもいいダイエット”です。
糖質制限には、主に以下の3タイプがあります。
タイプ | 制限 | 特徴 |
---|---|---|
プチ糖質制限 | 夕食のみ主食なし (主食を1食抜く) | 継続しやすいがダイエット効果はゆるやか |
スタンダード糖質制限 | 昼・夜など主食を2食抜く | バランス型 |
スーパー糖質制限 | 3食とも主食なし | 効果は大きいが継続が難しい |
糖質制限でなぜ痩せるのか?
ポイントは「糖質=脂肪のもと」という事実です。
体脂肪は脂質の摂りすぎが原因と思われがちですが、実は生化学的には、糖質こそが体の脂肪の原因です。
糖質を摂取すると血糖値が上昇し、それを下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンには、余った糖を脂肪として体に蓄積させる働きがあるため太る原因となります。
糖質制限を行うことで、インスリンの分泌が抑えられ、脂肪が蓄積されにくくなります。
また、糖質の摂取量が減ると、体は糖の代わりに脂肪をエネルギーとして使う「ケトーシス」という状態になり、体脂肪を効率的に燃焼できるようになります。
加えて、糖質を控える分、タンパク質の摂取量が自然に増えます。
タンパク質の摂取量が増えると満腹感が持続し、空腹に悩まされにくいというメリットもあります。
糖質制限ダイエット体験記
私は2018年に「スタンダード糖質制限ダイエット」を2回実施しました。
結果は、
2018年1~2月:70kg → 66kg(2ヵ月で4kg減)
2018年8~9月:67.5kg → 64.5kg(2ヵ月で3kg減)
と、いずれも1か月で平均約2kgのダイエットに成功しました。


糖質制限の方法としては、朝昼夜のうちいずれか2回主食を抜くことを基本に、1日の糖質量が100g未満になるよう調整していました。
主食を抜いた分は、糖質オフ商品やサラダチキンなどの高タンパク食で補いました。
さらに週2回ほどジムで軽い運動を行うようにしました。
特筆すべきは、効果が出るスピードの速さです。
開始直後から体重がストンと落ち、モチベーションが一気に高まりました(実際には体の水分減少の影響が大きいですが)。
なぜやめてしまったのか
しかし、私は2018年3月~7月、2018年10月以降は糖質制限ダイエットを中止しています。

グラフを見ると、その期間に体重の記録が少ないこと。
徐々に体重が増えていっていることが分かるかと思います。
当時、私は大学生で、糖質制限を行っていたのは主に大学の長期休み中でした。
大学の授業が始まると、友人との外食(ラーメンやうどんなどの麺類、牛丼など糖質中心メニュー)の機会が増え、自然と糖質の摂取量が増えていきました。
また、忙しい医学部の勉強の合間に食べる食事は数少ない楽しみの一つでした。
そのため、糖質制限ダイエットで食べるものを制限されるというのは「楽しみを奪われる感覚」が強く、次第に継続できなくなりました。
これらの経験から、糖質制限ダイエットはライフスタイルに大きく左右されるダイエット法だと実感しました。
総評:ダイエット効果は高いが、継続には向き・不向きがある
総合評価:★★★☆☆
ダイエット効果は高いですが、ライフスタイルや食の嗜好によって向き・不向きが分かれる印象です。
特に、外食が多い方や炭水化物が好きな方には継続が難しいかもしれません。
一方、自炊中心の方や短期集中型のダイエットには向いています。
続けやすさ:★★☆☆☆
私自身の体験、また周囲の経験者の声からも、リバウンドしやすい傾向があると感じています。
また、糖質制限のための市販品(ロカボ食)はやや割高なため、コスト面でもハードルがあるのは否めません。
効果:★★★★★
痩せるスピードが速く、短期間で効果が出るためモチベーションにつながります。
ただし、開始初期の体重低下は水分減少によるものが中心であり、脂肪が燃焼しているわけではない点には注意が必要です。
また、糖質を控えることで自然とタンパク質の摂取量が増えるため、筋肉量の維持や向上につながることもメリットです。
その他:★★☆☆☆
栄養バランスの観点では注意が必要です。
日本人の食事摂取基準では、1日のエネルギーの50〜65%を炭水化物から摂取することが推奨されています。
スタンダード糖質制限やスーパー糖質制限ではこの基準を下回りうるため、長期間これらを続けるのは健康に影響が出る可能性があります。
実際、日本糖尿病学会も極端な糖質制限は推奨していません。
また余談ですが、糖質制限をしてタンパク質を多く摂りすぎるとおならが臭くなるというデメリットもあります…笑
まとめ
糖質制限ダイエットは、短期間で効果が実感しやすく、効率よく体重を落としたい人にとっては有効な方法です。
特に、自炊する方や、短期集中型のダイエットには適した方法と言えるでしょう。
一方で、外食が多い方、ラーメンやご飯などの炭水化物が好きな方にとっては、継続が難しくストレスを感じやすいダイエットでもあります。
そのため、もしそういった方が糖質制限ダイエットを行う場合は、「夜だけご飯を抜く」などの“プチ糖質制限”から始めていくのが現実的かもしれません。
実際に、私が産業医として行う面談の中でも、「夜のお米だけ控えてみましょう」と提案することがよくあります。
プチ糖質制限では痩せるスピードはゆるやかになりますが、無理なく続けられることが何よりも大切です。
ストレスなく続けられる方法を模索しながら、長期的に健康な体を目指していきましょう。
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