※本記事はジャディアンスによるダイエットを推奨するものではありません。
ジャディアンス・ダイエットとは
ジャディアンス・ダイエットとは、「メディカルダイエット」の一種です。
メディカルダイエットは「医学的根拠に基づき、内服薬や注射などを用いて痩せるダイエット」のことをいいます。
ジャディアンス・ダイエットでは「ジャディアンス錠 10mg/25mg (SGLT2阻害薬)」という薬を1日1回内服します。

ジャディアンスは本来、2型糖尿病や慢性心不全、慢性腎臓病の治療に使われる薬です。
これを継続的に飲むことで体重が減少するとされています。
なぜジャディアンスで痩せるのか?
ジャディアンスはSGLT2を阻害することで、腎臓での糖の再吸収を抑え、尿と一緒に糖を排出するという働きがあります。
この作用により1日あたり約200kcal、1か月で約6,000kcal分の糖を体外に排出できるといわれています。
体重1kgを減らすには約7,000kcalのマイナスが必要といわれているため、理論上は1か月で約1kgの減量が見込めます。
ジャディアンスの副作用は?
主な副作用としては以下のようなものが報告されています。
- 頻尿・多尿
- 尿路感染症
- 外陰部膣カンジダ
- 亀頭包皮炎
- 低血糖
- 口渇・脱水など
ジャディアンスを飲むと尿に糖が含まれるようになるため、尿路感染症のリスクが高まります。
一方で、ジャディアンスには頻尿・多尿の副作用もあるため、つい「トイレが近くなるのが嫌だから水分を控えよう」と思いがちです。
すると、尿が体内に滞留し尿路感染症のリスクが一層高くなってしまうので、しっかり水分をとって排尿を促すことが大切です。
また、尿から糖が排出される分、体が糖を欲して食欲が増してしまう場合があります。
せっかくのカロリーロスが帳消しになってしまうため、食事量のコントロールも重要になります。
ジャディアンス・ダイエットはむしろ健康に良い?
実はジャディアンスには、ダイエット以外にも心臓や腎臓の保護効果があることが報告されています。
そのため、「健康な人が予防目的で飲む薬になるかもしれない」と注目を集めています。
実際、ホリエモンさんがアンチエイジングの目的でSGLT2阻害薬を内服していることは有名です。
ただし、現時点で、医師として病気の治療目的以外でのジャディアンス内服は推奨できません。
適応外使用(病気のない人への投与)は医学的・倫理的にも慎重であるべきで、将来的な可能性に期待する段階といえます。
ジャディアンス・ダイエットを実践した感想について
私自身、2023年6月〜8月頃にかけて、ジャディアンスとリベルサスを併用したメディカルダイエットを行いました。
結果、体重は一時的に68kg→63kg(約5kg減)になりましたが、結局リバウンドしました。
メディカルダイエット(ジャディアンス・リベルサス)の体験談は↓
ジャディアンスの内服を始めてすぐに感じたのは頻尿・多尿です。
具体的には、トイレの回数が1日3〜4回ほど増える程度です。
幸い、仕事ではいつでもトイレに行ける環境だったので、大きな問題はなく継続できました。
一方、食欲の面では課題がありました。
私の場合、リベルサスも併用していたため最初は食欲が抑えられていたのですが、リベルサスの効果が薄れるにつれて、自分の食欲が増えていることに気づきました。
そして、食欲が増える分食べてしまうので、9月頃は内服をしても体重が減らない(むしろ増える)状態になっていました。
また、感染症の面でもトラブルがありました。
服用からしばらくして、陰茎の恥垢が気になるようになり、検査キットで調べると「陰茎カンジダ」と判明しました。
通常、持病も免疫力低下もない状態では発症しない病気なので、ジャディアンスが原因だと考えられます。
結局、最終的には「コストの割に効果が薄い」と感じて休薬することに。
特に生活習慣を改善したわけでもないので、その後は案の定リバウンドしました。
総評
総合評価:★★★☆☆
劇的な効果はないものの、緩やかに減量が期待できる薬です。
重篤な副作用は少ない一方で、尿路感染症など注意すべき点もあります。
また、服用中は食欲のコントロールが効果を左右する重要なポイントとなります。
続けやすさ:★★☆☆☆
服用は1日1回とシンプルで、飲み忘れにくい点は続けやすいです。
ただし、医薬品なので一定の薬代がかかるうえ、頻尿・多尿、尿路感染症などの副作用が継続を妨げる可能性があります。
効果:★★★★☆
1か月で1〜2kg程度の体重減少が期待できます。
ただし、糖を排出することで食欲が増す場合もあるため注意が必要です。
その他:★★☆☆☆
心臓や腎臓を保護する効果があることが報告されており、将来的には予防医療の領域でも期待されている薬です。
しかし、現時点ではエビデンスが不足しており、医師として安易な使用は推奨できません。
本当に薬が必要な人に届けるためにも、適応外使用には慎重であるべきです。
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